犬猫は熊肉を食べても大丈夫!嗜好性高く栄養豊富。「旋毛虫」と呼ばれる寄生虫に注意

熊肉は日本で古来から食べられて来ました。

流通量が少なく販売所も限られており高価ではありますが、ネット通販を利用すれば購入自体は比較的容易となっています。

ステーキで食べられることもありますが、鍋や汁物にして味噌や調味料で臭み消しをする食べ方が一般的です。

犬猫は熊肉を食べても大丈夫!

犬猫に毒性のある成分は含まれておらず、一部のメーカーからは犬猫用の熊肉ジャーキーも販売されています

本記事では、

  • 貴重で珍しいお肉、熊肉について
  • 熊肉を犬猫に食べさせるメリットや注意点
  • 犬猫用の熊肉を使った手作りレシピ

などの内容についてお話していきます。

貴重で珍しいお肉、熊肉について

国内で流通している熊肉は野生の熊が狩猟された後、加工が行われたものです。

日本に生息している熊は「ヒグマ」と「ツキノワグマ」の2種類。

どちらとも古くから毛皮や肉、胆のう入手するために狩猟が行われており、狩猟地域では熊肉が食べられて来ました。

熊の生息数があまり多くないことや、家畜化がされていないことからそのお肉は大変貴重であり、高級品です。

熊というと川で魚を獲っている印象がありますが、魚以外にも他の動物の肉や、木の実、果物などを食べる雑食性です。

冬眠前の熊は体に大量の栄養を蓄えているので、肉の味も良くなっていると言われています。

熊肉は臭い?

基本的に熊肉は独特の強い獣臭を漂わせています。

この匂いはその熊が

  • どこに生息しているのか?
  • なにを食べてきたのか?
  • 年齢は?

といったことに左右されるので、個体差が生じます。

木の実や果物中心の食生活を続けた個体の熊で、血抜き処理などがうまく行われていればほとんど匂いがしないこともあるそうです。

熊肉はどんな味?

熊肉は柔らかく、脂には甘みがあり、旨味もとても強いお肉です。

犬猫によっては一般的な食用肉よりこちらを気に入るかも知れません。

犬猫に熊肉を食べさせる主なメリット

匂いと味が犬猫の嗜好性に合っている

犬にとっても猫にとっても、食べ物の匂いは食いつきを左右する大きな要素ですが、熊肉の強い匂いは犬猫の食欲を刺激します。

犬猫は味覚が人間ほど発達していないと言われていますが、熊肉は旨味が強く犬猫でも気に入ってくれる可能性が高いと考えられます。

嗜好性の高い食材はごほうびに適しているほか、年老いて食欲が低下している子の食いつきアップ効果も期待ができます。

体の温め効果による健康作用

熊肉を摂取すると体が温まると言われています。

犬猫の体を温めることで

  • 免疫力の向上
  • 消化促進
  • 腎臓病の予防
  • 胃腸の働きを活発に

などの健康効果があると考えられます。

冬の時期や、運動量が低下し身体が冷えてしまう犬猫の場合は、熊肉などの体を温める効果のある食べ物を与えてあげましょう。

豊富な栄養による健康作用

熊肉は栄養豊富な食材で、特に優れるのはたんぱく質、亜鉛、ビタミンB2、ビタミンB12などです。

たんぱく質は筋肉や臓器など体作りに欠かせない栄養素です。

亜鉛は皮膚や毛に多く含まれる栄養素であり、不足すると皮膚の異常を招いてしまいます。

ビタミンB2は細胞の再生を促し、傷の治りを早め、ビタミンB12は貧血を予防する効果や目の疲れを改善する効果を持っています。

このほか、熊肉にはコラーゲンも豊富に含まれています。

コラーゲンには関節の働きをスムーズにする、血管や骨を健康に保つ、毛肌のツヤをよくすると言った働きが期待できます。

犬猫に熊肉を食べさせる時の注意点

寄生虫の可能性が!しっかりと加熱するように

熊肉には旋毛虫(トリヒナ)と呼ばれる寄生虫が潜んでいることがあります。

生きたまま口にしてしまうと食中毒となり、

  1. 筋肉痛
  2. 腹痛・下痢
  3. 呼吸困難
  4. 心筋症

などの症状を引き起こしてしまいます。

旋毛虫は寒さには強いため、冷凍の熊肉を解凍しただけではまだ生きている可能性があります。

十分な加熱調理を行うことで死滅するので、犬猫に食べさせる時は中心部まで火が通っているのかしっかり確認するようにしましょう。

参考:札幌市「旋毛虫(トリヒナ)について」

強烈な匂いを嫌がる子も居る

熊肉は基本的に野生の匂いが強いお肉であり、それにより犬猫の食欲を刺激すると既にお話していますが、中には匂いを嫌がる子が居ることも考えられます。

もし犬猫が熊肉の匂いを嫌がるようなら食べさせるのはやめましょう。

無理な食事はストレスに繋がります。

こうした強い匂いを消すにはにんにく、ニラ、たまねぎ、味噌、香辛料などが有効ですが、犬猫の食事に使うのはNGです。

これらは犬猫に中毒症状や身体の異常、塩分過多などを引き起こす可能性があります。

犬猫用の熊肉を使った手作りレシピ

「熊汁」

材料

  • 熊肉
  • ゴボウ
  • 大根
  • しめじ
  • 豆腐

作り方

  1. 熊肉を犬猫が一口で食べやすい程度の細かいサイズにカットします。
  2. 鍋に水と熊肉を入れ、中火で煮込みます。
  3. アクが大量に出てくるので取りだし、熊肉を洗います。
  4. もう一度鍋に戻し、数時間煮込みます。
  5. 皮を剥き、細かくカットした大根とゴボウ、しめじを入れよく火を通します。
  6. 最後にカットした豆腐を入れ軽く煮込めば完成です。

熊肉をよく煮込んで柔らかくするレシピです。

熊肉の部位に脂が多い場合は油分過剰となってしまうことがあるので、カットして取り除きましょう。

【まとめ】犬猫は熊肉を食べても大丈夫!

犬猫は熊肉を食べても大丈夫です。

肉が柔らかく脂に甘みのあり、旨味も強いお肉です。

その味の良さや匂いは犬猫の嗜好性にあっているので、食いつきアップに期待できます。

このほか、体を温める作用や、体作り、貧血予防、毛肌のツヤをよくするといった健康効果も考えられます。

本記事で紹介した注意点は2つです。

  1. 寄生虫の可能性があるため、よく加熱しましょう。
  2. 中には強烈な匂いを嫌がる子も居ます。

貴重で高級な熊肉。

購入機会はあまりないと思いますが、犬猫にご褒美をあげたい、お肉を食べて欲しいと言った際に与えてみてはいかがでしょうか。

関連:肉類の記事

  • 市販のサラダチキンは犬猫が食べても大丈夫?塩分過剰や危険な食材の使用に注意
  • 犬猫はウサギ肉を食べても大丈夫!犬猫の嗜好性にマッチした高級食材。病原菌に注意
  • 犬猫はカンガルー肉を食べても大丈夫!高たんぱく低脂質なヘルシー食材。貧血予防にも◎
  • 犬猫はうずら肉を食べても大丈夫!匂いが強く食欲を刺激。アレルギーリスクも低い食材

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

記事一覧

ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

関連記事