愛犬・愛猫に与える春の七草について
毎年1月7日は人日の節句といわれ、昔から日本では七草粥を食べる日とされています。
せっかくの日本の習慣なので愛犬や愛猫と一緒に楽しみたいですよね。
今回は「犬猫は七草・七草粥を食べて大丈夫なのか?与える際の注意点」などについて解説していきます。
犬や猫は七草・七草粥を食べても大丈夫!
犬猫は七草・七草粥を食べても大丈夫です。愛犬や愛猫と一緒に七草粥を楽しむことはできます。
ですが七草粥を犬猫に与える際には少し注意しなければいけないポイントがあるので七草粥の由来とともに解説します。
七草粥の由来
昔の日本では季節の変わり目を「五節句」と呼び、豊作や無病息災を願いました。
五節句 | |
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1月7日 人日の節句 | 別名「七草の節句」 七草粥を食べて 一年の無病息災を願う |
3月3日 上巳の節句 | 別名「桃の節句」 ひな人形や桃の花を飾り 女子の健やかな成長を願う。 |
5月5日 端午の節句 | 別名「菖蒲の節句」 男児の誕生を祝い 健やかな成長を願う。 子孫繁栄を意味する 柏の葉を使った柏餅を食べる。 |
7月7日 菖蒲の節句 | 別名「笹の節句」 短冊や飾りを竹に吊るし 豊作を祈るとともに 技芸の上達を願う。 |
9月9日 重陽の節句 | 別名「菊の節句」 邪気を祓うとされる菊の花を浮かべた 菊花酒を飲み、長寿を願う。 |
この五節句のうち1月7日の人日の節句は一年の最初の節句です。一年の最初の節句に七草の若芽を食べて植物の生命力を体に取り入れ無病息災を願うという意味があります。
お正月のご馳走で疲れた胃腸を休ませるという意味もあるそうです。
七草について
七草粥に入っている「春の七草」と呼ばれる7種類の植物についてそれぞれ解説していきます。
せり
セリ科セリ属 花言葉『清廉で高潔』
爽やかな香りが特徴的なせり。見た目はミツバに似ていますがせりは五枚葉なのが特徴です。
「競り勝つ」という意味が込められています。
なずな
アブラナ科ナズナ属 花言葉『全てを君に捧げる』
別名「ペンペン草」と呼ばれているなずな。なずなは撫でたくなるほど小さくかわいい花を咲かせることから撫で菜(なでな)と呼ばれていたという説があります。
そのことから「撫でることで体の汚れを取り除く」という意味が込められています。
ごぎょう
キク科ハハコグサ属 花言葉『いつも想う』
ごぎょうは現代では「母子草(ははこぐさ)」と呼ばれています。
「ごぎょう」という古名は人形という意味で「仏のからだ」を表し、縁起物とされています。
はこべら
ナデシコ科ハコベ属 花言葉『愛らしい』
はこべらは現代では「ハコベ」と呼ばれています。腹痛や歯槽膿漏の薬として使用されてきた植物です。
「繁栄がはびこる」という意味が込められています。
ほとけのざ
キク科ヤブタビラコ属 花言葉『調和』
このほとけのざですが少しややこしい植物です。というのも春の七草の一つのほとけのざは正式名を「コオニタビラコ」といい、黄色い花を咲かせます。
これとは別に「ほとけのざ」という名前の植物があるのです。こちらは紫の花を咲かせます。しかしこちらは食用では無いのでお間違えの無いように。
春の七草のほとけのざは地を這うように葉が伸び、それが仏が座っている座に見えることからそう呼ばれています。
すずな
アブラナ科アブラナ属 花言葉『晴れ晴れと』
すずなとはカブのことです。神を呼ぶ鈴に見立てられたことから「鈴菜」と呼ばれていました。
すずしろ
アブラナ科ダイコン属 花言葉『潔白』
すずしろは大根のことです。花言葉にもあるように「汚れ無き潔白」という意味が込められています。
七草粥に含まれる栄養素
七草粥はお米と野菜で作られているものなので主な栄養素は糖質とビタミン類になります。
糖質
七草粥はご飯を中心とするものなので糖質は気になるところです。糖質はエネルギー源になってくれる栄養素です。
しかし犬猫が食べ過ぎると肥満や糖尿病の原因となってしまうので与えすぎには注意しましょう。
ビタミン
ビタミンA
眼や皮膚の健康に関係します。
さらに妊娠中の雌犬はビタミンAの要求量が増えます。
ビタミンB1
神経系の機能を正常に保つために必要な栄養素です。
欠乏すると筋力低下や歩行障害などの症状が現れ、最悪の場合死に至ることもあります。
ビタミンB2
皮膚や被毛の健康に関わるビタミンです。
欠乏すると元気がなくなりぐったりする・結膜炎などの症状が現れます
ビタミンC
ビタミンCには抗酸化作用があります。老化や激しい運動による酸化ストレスの治療・予防に役立ちます。
犬猫は体内でビタミンCを生成することができるので必須ビタミンではありません。
犬や猫に七草粥をあげる際の注意点
七草粥は犬や猫が食べても大丈夫ですが、七草粥を与える際にはいくつかの注意点があります。
消化に悪い?
七草粥は植物と水のみで作られているものなので特に肉食動物の猫の場合、胃に負担がかかってしまいそうですが大丈夫なのでしょうか。
七草粥はお米をくたくたになるまで煮込むのでお米による消化不良の心配はほとんどないでしょう。
また、他の食材の七草も犬猫が食べやすいように細かく刻んであげましょう。それでも心配な方は自分が食べる時より長めに煮込んでさらにくたくたにしてあげましょう。
ここまですれば食べ過ぎない限り消化不良の心配はほとんどないといえます。
冷ましてから食べさせて
冷めたおかゆなんて想像するだけでも全くおいしくなさそうですが犬猫に七草粥を与える場合は冷めたものを与えてください。
犬猫は人間と違って熱いおかゆを冷ましながら食べるということができません。
熱々の七草粥を犬猫が食べてしまうと舌や口内、消化器官のやけどにつながるので七草粥は冷ましてからあげましょう。
味付けはNG
みなさんが七草粥を食べる場合は塩・醤油・白だしなどで味付けをして食べると思います。
しかしそういった調味料は犬猫にとっては塩分が多すぎます。塩分過多は心臓病の原因になるので犬猫に与える場合は味付けを避けましょう。
アレルギーに注意
人間の場合はお米や七草にアレルギーを持っている例はほとんど無いそうですが犬猫はアレルギーを持っている場合があります。初めて与える場合はごく少量にして様子を見ましょう。
皮膚や口周りの赤みやかゆみ・腫れ等が見られた場合すぐに与えるのを辞め、症状がひどくなる場合は動物病院へ行きましょう。
犬や猫にあげる七草粥のレシピ
基本的には人間用の七草粥と同じです。違いは味付けをしないことです。
【材料】
- 米 ・・・ 1/2合
- 七草セット ・・・ 市販品1パック
- 水 ・・・ 600ml
①すずな(カブ)とすずしろ(大根)を小さく切り、柔らかくなるまで茹でる
②葉物は水でよく洗い、さっと茹でる。はじめにカブや大根の太い茎をお湯にいれ柔らかくなれば残りのものを入れる。
③茹でた葉物野菜を軽く絞り、細かく刻む。
④米を研いだら鍋に入れ、水600mlをそそぎ入れ火にかける(煮立つまでは中火、煮立ってきたら弱火)。
⑤煮立ったら焦げないように一度混ぜる。少しずらして蓋を置き、30~40分ほど炊く。
⑥おかゆが炊けたら下茹でしておいた七草を混ぜて完成!
さらに柔らかくしたい場合は七草を入れた後にしばらく煮込むのもいいでしょう。その場合は水分が無くならないように必要に応じて水を足しましょう。
【まとめ】犬猫は春の七草を食べても大丈夫
犬猫は七草粥を食べても大丈夫ですが以下の点には注意しましょう。
・肥満・消化不良などの心配があるので与えすぎない
・やけどしないように冷ましてから与える
・アレルギーに注意
今回は春の七草について紹介しました。七草粥は注意点を守れば犬猫が食べても大丈夫な食材です。
1年で最初の節句を愛犬や愛猫と楽しみましょう。