オキアミについて
オキアミ(英名:krill)はエビに似ていて甲殻類ではありますが、エビではありません。
標準の和名は「南極オキアミ」といい、姿がエビに似ている動物性プランクトンです。
オキアミ目に属していて、体長は3~6cm程度ですので大人の小指一本分くらいの大きさです。
プランクトンは非常に小さいイメージがあるかと思いますが、大きい部類になります。
南極あたりに生息していて寿命は5~7年と長く、水深200m付近に群れをなして数億トンという規模で生息しており、その地域の貴重な食料として重要な役割をになっています。
南極オキアミは桜エビと一緒に考えられがちですが、桜エビはサクラエビ科に属していて、 十脚目としてエビやカニと同類です。
また日本でとれるアミエビとも一緒に考えられることがあり、アミエビはアミ目に属していて正式和名をアキアミといいます。
アキアミはサクラエビ科に属しており、エビの一種です。
犬や猫は南極オキアミを食べても大丈夫です!
犬や猫は南極オキアミを食べても大丈夫です。
ただし南極などに生息していますので現実的に考えて捕れてすぐ食べることはできませんので、キャットフードやドッグフードに含まれているオキアミを食べるということになるかと思います。
オキアミの成分について
成分 | 値 | ||
---|---|---|---|
エネルギー | 84 | kcal | |
タンパク質 | 15 | g | |
脂質 | 3.2 | g | |
炭水化物(差し引き法による利用可能炭水化物) | 6.1 | g | |
灰分 | 3.1 | g | |
水分 | 78.5 | g | |
ミネラル | ナトリウム | 420 | mg |
カリウム | 320 | mg | |
カルシウム | 360 | mg | |
マグネシウム | 85 | mg | |
リン | 310 | mg | |
鉄 | 0.8 | mg | |
亜鉛 | 1.0 | mg | |
銅 | 2.3 | mg | |
マンガン | 0.15 | mg | |
ヨウ素 | - | μg | |
セレン | - | μg | |
クロム | - | μg | |
モリブデン | - | μg | |
ビタミン | ビタミンA | 180 | μg |
ビタミンD | 0 | μg | |
ビタミンE | 2.5 | mg | |
ビタミンK | 0 | μg | |
ビタミンB1 | 0.15 | mg | |
ビタミンB2 | 0.26 | mg | |
ナイアシン | 1.9 | mg | |
ビタミンB6 | 0.09 | mg | |
ビタミンB12 | 6.2 | μg | |
葉酸 | 49 | μg | |
パントテン酸 | 0.5 | mg | |
ビオチン | - | μg | |
ビタミンC | 2 | mg |
オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)
南極オキアミにはオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)が豊富に含まれてており、クリルオイルなどにすることでオメガ3脂肪酸の供給源とすることができます。
犬用や猫用もあります。
リン脂質は様々な脂肪を全身に運ぶ役割をになっており、そのリン脂質と結合していることでクリルオイルは青魚油よりも吸収がされやすいと言われています。
アスタキサンチン(抗酸化)
アスタキサンチンはエビなど赤い色をしているものの色素のもととなる成分です。
アスタキサンチンは抗酸化作用が強く、食品としてもその効果が期待されています。
アミノ酸・タンパク質
南極オキアミのタンパク質のアミノ酸構成は完全栄養食ともいわれている全卵のタンパク質に近く、卵を100とした場合、89というタンパク質利用率が示されています。
ビタミンB12
南極オキアミにはビタミンB12が豊富に含まれています。
ビタミンB12は犬も猫も体内合成ができないので食品から摂取する必要があります。
主に葉酸の代謝に関係しています。
ミネラル
南極オキアミにはカルシウム、マグネシウムが豊富に含まれています。
ドッグフード・キャットフードの原材料として使われる南極オキアミ
南極オキアミは人の食事として食べることは限りなく少ないと思いますが、水産用資料や釣りの餌などとしてよく使用されます。
捕ってすぐ冷凍
オキアミは自身の酵素で分解されてしまうためすぐに黒化が始まってしまいます。このため捕ってすぐに冷凍するのが一般的です。
ボイルして加熱
ボイルする場合もあります。
ボイルする場合はその後乾燥させてオキアミミールという粉末に加工されます。
ドッグフードやキャットフードなど市販のペットフードには冷凍オキアミ、もしくはオキアミミールが使用されるのが一般的です。
DHA・EPAを含むサプリメントにも使用される
オメガ3脂肪酸を豊富に含む南極オキアミは高価なサプリメントにも原料として使用されています。
人用としてだけでなく、犬用、猫用もあり、抗酸化作用などを期待して市販されています。
その他関節、背骨、腎臓、皮膚、眼、心血管の健康維持など、それぞれ目的が設定されています。
しかしあくまでサプリメントであり、薬ではありませんので獣医師に相談したりしつつ、必要に応じて使っていただくのがよいかと思います。
南極オキアミにアレルギーはある?
南極オキアミはアレルギー表示の表示対象外とされています。
しかしカニやエビなどの甲殻類のアレルゲンにはアルギニンキナーゼ、カルシウム結合タンパク質、ミオシン軽鎖がありますが、主なアレルゲンとしてトロポミオシンとされています。
南極オキアミの主要アレルゲンもトロポミオシンであるため、表示対象外であってもアレルギーの対象にはなり得ると考えられます。
また、各種甲殻類のトロポミオシンは抗原交叉性を示すため、エビやカニでアレルギーが出る場合はオキアミでもアレルギーが出る場合があると考えられます。
【まとめ】犬猫は南極オキアミを食べても大丈夫
犬猫は南極オキアミを食べても大丈夫!
ただしほとんどが釣り用や飼料用として使用されており、実際にはペットフードの原材料として使用されている状態で摂取することになると思います。
主にオメガ3脂肪酸の供給源として使用されるほか、タンパク源、ミネラル源、ビタミン源としても使用でき、栄養素の高い食材といえるでしょう。
万が一食材として与える場合には、オキアミは自身の酵素で分解されてしまうため、解凍後新鮮な状態ですぐに調理する必要があります。
変色したオキアミは与えないということを覚えておけば大丈夫です。
またエビやカニと交叉性がありますので、アレルギーがある場合にはオキアミも避けたほうがよいでしょう。