タチウオ(太刀魚)は細長い体で光沢ある銀色をしているので、まるで太刀のように見える魚です。
西日本海での漁獲量が特に多い魚であり、身が柔らかくシンプルな味わいをしています。
シンプルに塩焼きで食べるのが定番ですが、あっさりとしているのでかば焼き・竜田揚げ・フライ・ムニエルなど濃い味付けや油を用いた調理法にも適しています。
犬猫はタチウオを食べても大丈夫!
タチウオは犬猫に危険な成分を含んでいません。
栄養も多く含むので、一部のメーカーからは犬猫用の太刀魚パウダーなども販売されています。
こちらの記事では
- タチウオってどんな魚?
- タチウオの栄養や犬猫に食べさせるメリット
- 愛犬愛猫用のタチウオを使った手作りフードのレシピ
などについてお話していきます。
タチウオってどんな魚?
タチウオはスズキ目サバ亜科タチウオ科に属する回遊魚です。
名前の由来は、
- 見た目が太刀のようにすらりとし、銀色だから
- 獲物を狙う時に立ち泳ぎをするから
とする二つの説があります。
体長は150㎝ほどで、昼間は沖合400m前後の海底に生息していますが、夕方ごろに岸の近くにやってきます。
旬はいつ頃?
旬は夏ごろで、流通量が増え脂も乗り味がよくなります。
サバの近縁種なので、脂がたっぷりの白身はサバのようにとても美味です。
英語ではどう呼ばれてるの?
英語での呼ばれ方はいくつかありますが、
- cutlass fish(cutlass=湾曲した刃を持つ剣)
- scabbard fish(scabbard=刀の鞘)
など日本での名前の由来にかなり近しいものも存在します。
ちなみにフランス語では「sabre」と呼ばれ、こちらもヨーロッパ地域で使われていた洋刀を意味する言葉です。
太刀魚を犬猫に食べさせるメリット
太刀魚(生)100gあたりに含まれる主な栄養素表
タチウオ
エネルギー 238kcal
たんぱく質 14.6g
脂質 17.7g
カリウム 290mg
ビタミンA 52㎍
ビタミンD 14.0㎍
ビタミンE 1.2mg
ナイアシン 6.9mg
ビタミンB6 0.20mg
DHA 1400mg
EPA 970mg
参考資料:八訂 食品成分表 2022
タチウオは豊富なたんぱく質に加え、ビタミンAやビタミンD、ビタミンEも多く含んでいます。
脂質が高くなっていますが、この脂質はオレイン酸であり悪玉コレステロールを減らしてくれるなど体に良い働きを持っています。
特に優れる栄養素と考えられる健康効果を簡単にまとめます。
- たんぱく質:体を作り生命活動を維持するために必須の栄養素です。不足するとケガの回復が遅くなったり、疲れがちになったりしてしまいます。
- カリウム:ナトリウムの増加を抑制し余分な塩分を体外に排出するので、高血圧予防になる栄養素です。
- ビタミンA:目の健康のために欠かせない栄養素です。粘膜の形成に深く関わっており、感染症を予防します。
- ビタミンD:カルシウムとリンの吸収を促し、骨や歯に沈着させます。タチウオをを食べさせる時はこれらを持つ食材も同時に摂取させると効率がよくなります。
- ビタミンE:強い抗酸化作用を持ち、老化を防止します。がんや動脈硬化を予防する効果も期待できる栄養素です。
- ナイアシン:代謝を促進し、脳をサポートします。また、皮膚や粘膜の強化にも役立っています。
- DHA・EPA:血栓をできにくくしたり、コレステロール値や血圧の上昇を抑える作用があります。
- オレイン酸:悪玉コレステロールを抑制する効果や、血管の健康を保ち生活習慣病を予防する作用を持っています。
太刀魚を犬猫に食べさせる時の注意点
歯が鋭いので取り扱う時は気を付けて
タチウオは非常に鋭利でギザギザとした歯をしています。
生きているタチウオに噛まれると、血が止まらなくなるほどの深く複雑な傷ができてしまうほどです。
犬猫と生きているタチウオが鉢合わせるような場面は滅多にないとは思いますが、
家でタチウオをさばいている時に頭を床に落としてしまい、興味を持った犬猫が近づいた結果その鋭利な歯でケガをしてしまう…というケースは十分に考えられます。
もしご家庭でタチウオをさばく時は、タチウオの鋭利な歯による事故が起きないように注意を払ってください。
丸のみが危険!骨はしっかり処理するように
犬猫は食べ物をあまり咀嚼せずに丸飲みしがちな生き物ですので、骨を処理していない魚を与えるとそのまま体内に飲み込んでしまいます。
骨が細く柔らかいのであれば、例え飲み込んだとしてもそこまで危険はなく胃液で消化されます。
しかし、タチウオの骨は細く硬いので、胃や腸などで刺さりケガをしてしまう可能性があります。
こうなると犬猫には当然大きなストレス・負担となりますし、ひどい場合は手術を行い骨を除去する必要が生じます。
愛犬愛猫にタチウオを食べさせる時は、必ず骨の処理を行いましょう。
生で食べさせる時はアニサキスに注意
タチウオは海水魚なので、海に生息する寄生虫アニサキスを宿している可能性があります。
犬猫が生きたアニサキスを口にすると、激しい腹痛に襲われてしまいます。
アニサキスが不安な場合は、
- 十分に加熱する
- 包丁で細かくたたく
- 内臓に潜んでいることが多いので、その周辺の肉は食べさせない
などの対応を行いましょう。
十分に加熱したり、細かくたたいたりすることでアニサキスは死滅します。
愛犬愛猫用のタチウオを使った手作りフードのレシピ
「タチウオのだし茶漬け」
材料
- 新鮮なタチウオの身
- かいわれ大根
- 味噌
- 白ごま
- ごはん
- 昆布だし
作り方
- 新鮮なタチウオの身をしっかりと処理し、骨を除去します。
- 身に粘り気が出るまで包丁でよく叩きます。
- 叩いた身に、風味付け程度のごく少量の味噌を白ごまを加えよく合えます。
- 器に盛ったごはんの上に、合えた身を乗せます。
- 少量のかいわれ大根を散らし、昆布だしを回しかけたら完成です。
よく叩くことで、アニサキスを気にせず新鮮なタチウオの身を食べさせることのできるレシピです。
かいわれ大根は細い見た目ながらβカロテンやビタミンK、カルシウム、リンを豊富に含んでいます。
実際に食べさせる量は、愛犬愛猫の体格や状況に合わせて調整してください。
【まとめ】犬猫にタチウオを食べさせても大丈夫!
犬猫はタチウオを食べても大丈夫です。
旬は夏ごろで、流通量が増え脂乗りと味もよくなります。
たんぱく質のほか、ビタミンDやビタミンEを含んでおり、体づくりや老化防止効果などに期待が持てます。
注意点を3つ紹介します。
- 歯が鋭いので、家でさばく時は取扱いに気を付けてください。
- 骨が細く硬いため、犬猫が丸飲みしないように必ず取り除きましょう。
- アニサキスを宿している可能性があるので、生食には注意を払ってください。
サバに似て脂がたっぷりの白身が美味しいタチウオ。
西日本以外では見かけることがあまり多くないとは思いますが、もし新鮮なものが手に入ったら愛犬愛猫の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?
参考:三重県「タチウオ」
【魚介類の記事】